ユニオンランチは、1980年に創業いたしました。

戦後の荒廃期、食料が中々手に入りにくかった時代に「こんにゃくうどん」と呼ばれる料理がありました。文字通りこんにゃく芋から作った麺状のものに醤油を薄めた出汁をかけた粗末なものでしたが、当時はよく売れたそうです。
創業者 遊道泰生の父、遊道力次郎が、満州から引き揚げ、一旦は故郷の舟橋村に戻ったものの、翌昭和21年には富山市稲荷町に住居を構え、屋台を曳いてこんにゃくうどんを売り歩いたことに弊社の起源があります。
昭和23年には粗末ながら店を構えることができました。この頃にはもうお米も小麦粉も砂糖も手に入るようになってきており、うどん・そば、志那そば、丼、定食をお出しする食堂、「ときわ食堂」として商売を行っておりました。店の周りには大きな工場もあり、出前も含めて繁盛していたようです。また、国道沿い（旧8号線）に店がありましたので、近畿地方から富山を抜けて新潟、山形に向かうトラックが夕方から深夜にかけて数十台並ぶほどで、寝る時間も数時間足らずだったと聞いています。
しかし昭和30年代、高度経済成長期に差し掛かるころから、全国に「給食弁当」の会社が政策的に設立され、富山市においても給食センター（富山市商工福祉給食センター）ができました。そうなりますと、ときわ食堂ももちろん、多くの飲食店さんも少なからず売り上げに影響が出てまいります。
「このまま食堂をやっていけるんだろうか？」父 力次郎を手伝って家業に従事していた泰生は、事業形態を替える提案を、「うちも弁当を作って売ってはどうだろうか？」という提案をしましたが、「いや、大きなことはしない。地道にこれまでやってきたことを続けていくんだ。」と全く相手にしてもらえなかったのです。満州では運送業を営み、物流トラックからタクシーまで多くの車と人をつかって事業をしていた力次郎は、敗戦と共に無一文になった事がトラウマになっていたようで、かつての事業意欲は見事に削がれ、地道な商売を選択しました。
20歳そこそこの泰生は反感を持つわけでもなく、しかしあきらめたわけでもなく胸中には「やがて俺が…」という想いを秘め、粛々と準備を進めながら創業の機会をうかがっていました。20年後の昭和52年、力次郎75歳、泰生40歳。「泰生、お前、よくここまでついてきてくれたなぁ。ずいぶん待たせたが、あとは任せるから好きにして良いぞ。」漸くその時が来たのです。
昭和55年5月18日、越中稲荷神社の春季大礼祭の夜、関係者と家族の前で泰生が法人設立の計画を発表、半年後の11月25日、友人2名と共に「結束」し、地域に「融合」する会社を作ろうと、社名をUnion Lunch「ユニオンランチ」として富山市飯野新屋にて創業いたしました。

もともとが食堂ですから、味にはそこそこ自身もあります。出前で培った配達のノウハウも多少はあります。永年温めてきた事業に対する想いが美味しいお弁当を作り、そのことがお客様に受け入れられ、また時代の流れにも上手く乗り、あっという間に食数が増えていきました。55年に建てた工場は手狭になり、しかし拡張が困難な状況だったところに、あの富山市商工福祉給食センターから声がかかります。「一緒にやらないか？」と。敷地1千坪、日産5,000食の工場、建物や設備の老朽化は否めませんでしたが、役員会全員一致で移転、合併を賛成、建てて間もない社屋を手放し、現在の富山市向新庄町に移転、お弁当 日産1,200食、園児給食弁当 日産1,800食の会社として次のステージに進みました。

会社は、「ものづくり富山」の県庁所在地、富山市の東側に位置しており、すぐ横には常願寺川、その上流方向に目をやれば、朝日を浴びて輝く立山連峰、下流に目をやれば天然の生け簀、富山湾を臨む、大自然に囲まれた素晴らしい場所で事業をさせていただいております。
「日本で最初の中小企業団地」の一画、主要道路（国道8号線・国道41号線の交差点、金泉寺ジャンクションのそばで、県内の何処からもアクセスが良いのもユニオンランチの特徴です。